妊娠中の口腔ケアと治療について
今回は妊娠中の治療と口腔ケアについてお話したいと思います。
まずはご妊娠おめでとうございます!
ご妊娠の喜びだけでなく、不安なことやわからないことなどもあるのではないでしょうか。
その中でも歯科でよく受ける質問が妊娠中の治療についてです。
妊娠中の治療はいつがいいのでしょうか?
妊娠中は5~9カ月の安定期での治療をお勧めいたします。
妊娠初期ではつわりのある方も多く、お口の中を見せていただく時のスタッフのグローブのニオイや、お口を開いているだけでもしんどくなる方もいらっしゃるからです。
治療をする際のレントゲンが心配!
今のお口の中の状態をお調べするためにレントゲンを撮らせていただくことがありますが、デジタルエックス線なので妊婦さんやお腹の赤ちゃんにも被ばくはほとんどありませんが防護エプロンをします。
歯の麻酔はどうなの?
歯科で行う局所麻酔は、治療する歯の周辺だけにしか麻酔薬は停滞しないのでお腹の赤ちゃんへの影響は心配ないです。
この他にも、歯科治療について不安や心配があれば遠慮なく医師やスタッフに聞いてみてくださいね。
そして、ぜひ赤ちゃん誕生までの間に歯周病とむし歯の治療をして、ママのお口の状態を良くしておきましょう。
なぜなら、歯周病がある場合は早産・低体重児出産になるリスクが7倍も高いといわれているからです。歯周病によりお口の中で作られる炎症性の物質は子宮を収縮させる物質と同じで、その炎症性の物質や細菌が血中に入り込んでしまうと、胎盤を通してお腹の赤ちゃんに影響を与え、早産や低体重児の原因となるからです。
むし歯はむし歯を作るミュータンス連鎖球菌という菌が原因です。生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはミュータンス連鎖球菌はいません。これは周囲の大人たち、とくに一番お世話をしているママからの母子感染が多いといわれています。
お子さまの健やかなお口の健康のためにも、妊活中や妊娠中からむし歯や歯周病の菌を減らすように、定期的な歯のクリーニングとケアはとても大切です。